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2010年7月25日「Life 夏の1冊」未読メール特集3

夏本番、海か山かプールか、いやまずは本屋!(30代、男性)

最近発売された、経済系のノンフィクションをオススメしたいです。

リーマン・ショック・コンフィデンシャル 上 追い詰められた金融エリートたち
リーマン・ショック・コンフィデンシャル 下 倒れゆくウォール街の巨人
アンドリュー・ロス・ソーキン著、加賀山卓朗(かがやまたくろう)訳
原著『Too Big to Fail』(各2,100円、早川書房)

2007年夏にサブプライムローン問題が顕在化する以前から、2008年夏の
リーマンショック後まで、米政府、連邦銀行、投資銀行がどのように行動
していたのか。ニューヨークタイムズの記者が緻密な取材で問題の本質に
迫っているノンフィクションでした。単純に、FRBや金融業界の首脳たちが
悪いわけではないことがよく分かります。

ちなみに、キンドルの日本発売と原著のヒットの時期が重なっていたので、
今年の頭ごろ、金融業界の人たちの間では原著をキンドルで読むのが
流行っておりました。

世界的不況の要因として、何かと悪者扱いされている金融業界ですが、
現在の経済状況を知るのに適切な1冊だと思います。


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毛虫スタジアム 鳥取県 30歳 会社員

夏と言えば「AIR」と「イリヤの空、UFOの夏」ですが、
AIRはエロゲだし、イリヤは4冊なので1冊には当てはまらないと
思いやめました。

ということでハインラインの『夏への扉』にします。
内容は夏の話ではないのですが、タイトルに夏と入っているのと
最後あたりに出てくる「そして未来は、いずれにしろ過去にまさる。
誰がなんといおうと、世界は日に日に良くなりまさりつつあるのだ。」
というところが気に入ってるからです。
大人にとっての夏と言えば、思い出だとかノスタルジーというところに
行きがちで「あの頃はよかった」とか「二度と戻らないあの夏の日」
みたいな微妙にネガティブな話になってしまうので、
だからこそ未来に希望を置いてるこの文章が好きですね。

私も今までの夏より今年の夏が一番楽しくなると思っているし、
来年の夏はもっと楽しくなっていると思いながら過ごしています。

※「夏といえば『AIR』(Key)」という人、多いですねー(黒幕)


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タイトウ商会

私の夏の一冊は、中上健次の『枯れ木灘』です。
夏に読んだ訳ではありませんが、暑い夏の出来事が、
ジリジリする描写でだらだらと汗が出るように描かれています。

特別なことは言えないんですが、夏といえばこの小説が浮かびました。
今時、中上さんの小説を読む人も少ないのかな。

※僕も真夏にクーラーもつけず汗だくになってつっかえつっかえ読んだ記憶が...(黒幕)


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福田十二指腸

昼は研究員、夜はマッスル・ドッキング(MusselDocking)というバンドで
ボーカル、ダンス、寸劇などにいそしむナナロク世代の山羊座ボーイです。

私にとっての夏の一冊といえば、この本に決まりです。
まことちゃん、こと、川島誠 著,『800』。

大学時代の夏、TOEICを受けた帰り道にチャリンコで立寄った
幹線道路沿いの小規模ショッピングセンターに入居している書店で、
"江國香織さんが推薦!"という書店員による手書きPOPが目に入り、
どれどれ?と冒頭を読んでみました。

『なぜ八〇〇メートルを始めたのかって訊かれたなら、
雨上がりの日の芝生の匂いのせいだ、って答えるぜ。』

というオープニングに胸を撃ち抜かれ、突然発汗、買わねば!読まねば!
さもなくば絶対に悔いるぜ!と思い、焦るようにして即購入、
数日後にタイのバンコクに旅行に行ったのですが
現地のホテルで一気に読んだことを覚えています。
帰国後に失恋をしたことも、忘れそうですがまだ覚えています。

『なぜ"800"を読んだのかって訊かれたなら、
本屋でたまたま読んだ冒頭の一文のせいだ、って答えるぜ。』

内容はアマゾンからの引用を・・・・
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思い込んだら一直線、がむしゃらに突進する中沢と、何事も緻密に計算して
理性的な行動をする広瀬。まったく対照的なふたりのTWO LAP RUNNERSが
走って、競い合って、そして恋をする―。
青空とトラック、汗と風、セックスと恋、すべての要素がひとつにまじりあった、
型破りにエネルギッシュなノンストップ青春小説。


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ビアンコ 38歳 品川区男性

人と比べて「あまり本を読んでないな~」と思ってる自分が、
今回のテーマで、あるTV番組を思い出しました。
フジTVの深夜番組の『文學ト云フ事』です。
日本の文学作品を毎回1つ、映画の予告編風の映像取り上げる番組で、
井出薫・緒川たまき・袴田吉彦、等の当時の若手期待の俳優さん達を
見るのがきっかけでしたが、見ているうちに幾つか紹介された作品を
手に取りました。

その中で印象に残っているのが森鴎外『』と田中英光『オリンポスの果実』。

いずれも恋愛に至らない男女のすれ違いを描いた作品だったと記憶しています。
この番組放送の当時、色々な事情である人との恋愛に至れない自分の状況に
悩んでいたのですが、これらの作品を読み、「森鴎外の生きた明治時代の人も、
田中英光が生きた大正から昭和初期の人も、自分と似た境遇で悩んでいたの
だなぁ」と、自分の境遇が、昔から誰にでも降りかかるよくある、4月のLifeの
テーマにもなっていた「定番」なベタな出来事に思えて、「きっと誰にでも
起こる事だから、どちらに転んでも、きっとなんとかなるさ」と随分と救われた
気分になったものでした。

澁谷知美さんが「作品の向こうに人がいる」と言うな事をおっしゃっていましたが、
これらの作品を通じて明治・大正の人達と、悩みの共有というコミュニケーション
を図れた様な気がします。

※『文學ト云フ事』で僕が印象的だったのは緒川たまきさん主演の『夢十夜』(黒幕)。


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