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「バンドやろうぜ」未読メール特集1

北村和孝さんのメール
(一部放送でも紹介しましたが、↓が完全版です)

さて今夜はバンドブームがテーマということでメールさせていただきました。
「Player」という楽器寄りのマニアックな老舗音楽雑誌がございまして、
そちらのほうで編集部員をやっている者です。
僕なりの思うここ10年の音楽業界の変化を記したいと思います。

1.高年齢ミュージシャン/バンドの増加
大人のバンドブーム/オヤジバンドブームって言葉が語られるようになったのは
かれこれここ5、6年のことだと思います。
2000年代に入り不景気が続いている楽器業界的において、
その間売り上げを支えていたのは30代以上のユーザーの存在でした。
会社を定年退職されたかたが、退職金で憧れのマーティンやモズライトを
買ったり、2本目、3本目のハイエンドギターを購入する動きがあったのです。

他方、これはインターネット/パソコンの普及、スペックアップとも密接なのですが、
ハードディスクレコーダーやプロトゥールズLEを代表とするレコーディング/DTM
ソフト、PODなどのギターアンプシミュレーターという新たな市場が広がりました。

10代、20代のバンドマンと一緒に、30代、40代のアマチュア層もこれらを購入し、
もはや昔のカセットMTRの普及以上に一般的な存在となっています。

と、同時に各所で30代、40代以上のアマチュアバンドを集めたコンテストなども
活発化している向きがあります。
30代後半の僕などは、かつてバンドは就職と同時に卒業するものだったんですが、
今はみんな就職しても趣味としてバンドを続けていられる風潮になりました。
先日、すかんち、THE卍のROLLYさんにインタビューしたんですが、
「僕らの頃は今と違って24歳になってバンドをやっている奴なんていなかった。
もうそろそろバンドやめなきゃと思っていたとき、
ラッキーなことにすかんちでメジャーデビューの話を頂いたんです」
とおっしゃっていました。
20代後半でメイクしてハードロックバンドなんてかなりアウトローな存在だった
んです。今は随分市民権を得たところがあると思います。

と同時に、音楽だけでは食べていけないミュージシャンも普通になりました。
バブル期のような優遇は今のレコード業界にはありません。
ヒットチャートの常連バンドでも実は平日は会社員...なんていうのも意外と
よくあることです。はっきり言って普通です。
ソングライティングで作家印税入ってこないミュージシャンは、ギャランティだけ
で食べていける御時世ではありません。

が、別の食べていきかたは生まれました。

2.ツアーミュージシャン/バンドの増加
レコード業界の売り上げが大きく落ち込んで、メジャー契約を失ったベテラン
ミュージシャンがインディペンデントで自ら動き出すのと同時に、
DIY精神旺盛なインディバンドはメジャー契約せずに
自身の活動で売り上げを立てられるようなシステムを作り上げました。
大手のレーベルには所属せず、ディストリビューションだけを結んで
CD/DVDリリース、グッズ販売、そしてライヴハウスツアーを細 かくまわり、
食べていける状況を築いたバンドもいます。
彼らの幾つかはメジャーリリースのバンドよりも大化けしたものも多く、
メジャー/インディのそれまでの図式を塗り替えてしまいました。
MONGOL800、ELLEGARDEN辺りはその代表格ですね。

ライブハウスは基本的にノルマシステムをバンドに課すことで
売り上げを立てることができる構造があり、ここにイベンターを投入すること
によりライブハウスのビジネスは大きく広がりました。
ゆえに90年代以後、ライブハウスは倍増することになったんです。
(勝ち組と負け組にはわかれましたが)
ツアーバンドにノルマを授けないところも多かったり、
先述のイベンターを通すことによって、
まだ知名度がないバンドでも全国を回れるような道筋が生まれました。

同時に、80年代までの「レコードは売れるがコンサート動員は赤字」という
よく言われていたパターンが逆転したのです。
若い子はライヴには連帯感を求めダイブ/モッシュの大騒ぎで
新たなライヴの楽しみ方というのを産み出すわけですが、
反面CDなどの音楽ソフトは買わなくなっていきました。
さらに配信ビジネスの推進により、好きな曲だけダウンロードするというのが
一般的になってきています。
好きなミュージシャンの初回限定盤や、かつての名盤のリマスタリング・リイシュー盤
に胸を熱くしているのは僕を筆頭とした30代以上のリスナーです(笑)。


と、この2つを語っているだけでも大きく音楽ビジネスの状況は変わってきました。
ウェブが進化するとともに僕らのような紙媒体は苦戦を強いられています。
お金に余裕がないときこそ面白いことをやるチャンスでもありますが、
たいがいは無難な落ち着きどころにいってしまうのも世の常。
ラジオファンからすると、どこもかしこも同じ音楽が流れているように
聴こえて非常に危惧感を抱いています。
もっともっと素晴らしい音楽や楽器の魅力、奥深さを浸透させていきたい、
少子化が進む若い子達へも継承していきたいという想いを、僕はここ数年特に強く
抱いていたりします。
この業界の愛ある人間はみんなそうだと思うんですが。

初音ミクみたいなかたちでも、自分なりの音楽を発しようとする姿勢は
良いと思います。エディット感覚同様、楽器演奏に精通する面白さにも
気づいてはほしいのですが。
せっかく少ない予算でクォリティの高い音楽が作れる御時世、新たな才能が
生まれてくることを楽しみにしております。
と、同時にmp3などの圧縮音源に慣れてしますぎて
本来の「良質なサウンド」のレベルが落ちるのは怖いという恐怖感もありますが。

今晩、どのような議論が繰り広げられるのかが非常に楽しみであります。
前回同様、番外編まで徹夜覚悟で聴くつもりですので頑張ってください。
何かあればまたメールしたいと思います。

最後に最近僕が注目しているミュージシャンを。
・トクマルシューゴ
・Prague
・相対性理論
・スフィアン・スティーヴンス
・石橋英子

これより佐野元春さんのライブ取材に行ってきます(笑)。

====

デニーレインさん 神奈川県
大学時代は関西で、社会人に入ってからは関東で
バンド活動を行っています。
関東に来て一番思うことは、タダでライブができないのか!?
ということです(^^;;;
関西では、お店から出てください、的にタダでライブができ、
客が多ければギャラももらえることが多かったのですが、
関東ではそういったライブハウスは中々なく、
大抵、出演料を取られて、チケットを売らなければなりません。
いや、関西でも出演料を取るイベントが多いのですが、
こと、ビートルズ系のライブハウスに限れば、
タダで(しかも、出てくれと頼まれて)出ることが多かったので、
やっぱり首都圏はバンド人口が多いからなんでしょうね~。

===
マッスル・ドッキング(Mussel Docking)の福田十二指腸さん
32歳 山羊座系男子 研究員

小生はハイスクール時分からの盟友、アルフレッド
(Alfred。自称、ドイツ青年将校)と2人で、
Mussel Docking なるバンドを組んでおり、
ヴォーカルとダンス、MCを務めています。
6月のGIGではLifeのチラシを配布しました。
バンドといいつつも、ゆずやコブクロみたいな2人組ですが、
ユニットでもデュオでもなくバンドだと自負しています。
(バンド、あるいはドンバと自称しています
そしてソングはグンソ、ギグはグギ、と称しています)

さて・・・・予告編にて、バンドをやることの敷居が低下して
草野球やフットサルのように、簡単に始められる、初心者でもできる、
となっている現状を、
① 歓迎しますか?
それとも
②けしからん!と思いますか?
という問いがありましたね。

小生は大歓迎、ウェルカムです!
文化は、底辺が広がれば頂きも高くなりうるはずであり
気軽に参入できることで多様性も担保されるはずだから・ド・エース。
それに草野球の楽しみ方が様々で、勝敗を重視する人もいれば
かっこいいプレイをする快楽に身をゆだねる人もいて
一方では試合後のビールが最高!という人もいるように
バンドをやる上でも何に重きを奥かは自由。
それこそ、普段エアコンの効いた空間で仕事をしているossanたちが
発汗し、声を出すということで健康体をその手に取り戻す、
という効能を重視するということもあるかもしれません。
ロックだろうがなかろうが、他人にバンドじゃないと言われようが、
気にせず行けよ、行けばわかるさ!

ちなみに6月のグギ/GIGには、ネットで公開しているグンソ/ソングを
聴いて興味を持ってくれた人たちが何人も駆け付けてくださいました。
エキサイティングな体験でしたよ。


*追記
ところで、過去に結成だけしたバンドが2つあります。
ジュニア・ハイの時代に組んだバンドは
「SKB」(スーパー・カメムシ・バンド)
「北京軍団」
という名前でした。昨今の再結成ブームに乗って復活を企んでいます。


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