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武蔵小杉駅周辺の再開発で住民を悩ませる「ビル風」

森本毅郎 スタンバイ!

武蔵小杉といえば、開発が進んで、今では大人気の街。先日発表になった「みんなが住みたい街ランキング2017」でも5位に入りましたが、最近、ちょっと気になる問題が起きているんです。いったい、何が起きているのか、3月9日、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。

★武蔵小杉の悩みとは

まずは何が起きているのか?武蔵小杉の住環境を良くしよう、と活動しているグループ「小杉・丸子まちづくりの会」 入交滋子さんのお話です。

「小杉・丸子まちづくりの会」 入交滋子さん
ここに横須賀線の新駅が2010年にできまして、目黒線・東横線・南武線・横須賀線、それから成田エクスプレス・湘南新宿ライン、全部来てるものですから、交通の便がすごく良くなって、それを踏まえた形で超高層マンションの開発が進みました。全部で15棟くらいありますかね。もうほとんど建っていて、今一番問題なのは強い風です。ビル風は普通の風と違って瞬間的に方向やら強さが変わるので普通の風とは別な怖さがすごくあるんです。

 
武蔵小杉駅周辺の開発は、2007年から2025年の間に18棟の高層ビルを建てる計画があります。そのうち12棟はすでに完成していて、かなりビルが多い上京ですが、ここからさらに6棟も建つ予定なんです。今年の12月にも53階建ての高層マンションが建つ予定で、今でも周辺に強い「ビル風」があるのに、今後さらに強いビル風が増えるかもしれないと、心配していました。

★避けて通れない風の名所

小杉・丸子まちづくりの会では、独自に風速を計測したり、再開発反対の集会を開いたりしています。というのも、この地域に昔から住む方には、反対する理由があるんです。再び入交さんのお話です。

「小杉・丸子まちづくりの会」 入交滋子さん
タワープレイスっていう100メートルの高さのオフィスビルなんですけども、駅へ行ったりお買い物行ったりするのに、みんなこの前を通るんですね。ここがものすごい昔から風の名所だったんですね。それが周りに超高層が建つことによってひどくなるんじゃないかということを、私たちは懸念しています。

武蔵小杉駅北口のロータリーから歩いて30秒ほどのところにある、22年前に建てられた「タワープレイス」というビルの周辺が「ビル風がすごい」と地元で有名なポイントなんです。どのくらいすごいかというと、住民が計測した際に風速20メートルという数値も出たそうで、2013年には、風が強すぎて道路わきの木が根っこから倒れたこともあります。その周辺に高層ビルが建つことで、もっとひどくなるのではないかと反対しているんです。

高さに圧巻!タワープレイス

高さに圧巻!タワープレイス

★ビル風の名所、やっぱり風が強い!

そんなタワープレイスのビル風、私も体験してきました。きのうの夕方、駅前はまったく風は吹いてなかったんですが、タワープレイス前の交差点に行ってみると、確かにそこだけ風が吹いていてすごく寒く感じました。ですが、交差点にいた街の方にお話を伺ってみると、こんな声が多かったんです。

●「みんなビル風の影響って本当に怖い。ここで怪我された方がいて、壁にぶつかっちゃったんですって、あのコンクリの、風に飛ばされちゃって。今日はおだやかな方ねって話してた。もう本当にここはすごいです。」
●「いやーいつもひどいですよ、風が強い時には飛ばされそう。ほんと何かに捕まってないと立ってられない年寄りは。今日はおだやかですよ。」
●「たぶんここが一番強いんじゃないですか?風が強い時はオートバイが倒れますから。とにかくこのビルを中心として風が強いんですよ。」
●「(女子高生)すごいここの道は風強いです。ここの道だけ。傘壊れる。決まってる道を通らなきゃいけない。校則で決まってるんです。ちょっと厳しいんです、校則が。」

マイクを向けると風の音がビュービュー入るような状況だったんですが、「今日はおだやかな方です」と話してくれた方が多かったので驚きました。本当に風が強い日は、かなり危ないらしく、「家から出ない」という人までいました。

とはいえ駅前ということもありますし、この道路を渡らないと行けない場所には病院や女子高もありますので、かなりの人通りのある道路です。またお店も沢山あるんですが、独特の風対策をしているお店もみられました。

2重扉のコンビニ

2重扉のコンビニ

透明の

透明のカーテンつき

★川崎市の調査は進んでいない

川崎市では、反対の声を受けて武蔵小杉駅周辺の風環境の調査を行っていますが、大きな対策はまだ始まっていません。どうにか計算で風を逃がすことはできないのか、専門家に聞いてみました。風工学研究センターの松井 正宏さんのお話です。  

風工学研究センター 松井正宏さん
それはですね、非常に難しい問題なんですね。自然風があって、その中で建物があって、ビル風が起きるというようなメカニズムですので、その流れを予測するのは、なかなか正確には予測できないんです。大規模な数値計算であったり、そういったものをしないと、将来どういう風が吹いてくるということは分からないわけですね。それはかなり特殊な装置で、建設コストに比べればそれほどでもないということでしょうけれど、それなりにコストもかかると思います。」

風の研究は進んでいるんですが、ビルが建っていない状態でビル風を予想する事はかなり難しく、建てたあとどんな流れで風が吹くのかは正確には予想できないのが現状なんです。そして予測調査には半年~1年もかかってしまうので、18年で18棟も高層ビルが建つ武蔵小杉駅周辺では、調査が終わる頃には次のビルが建ってしまいますので、なかなか良い対策が出てこないということでした。

中矢邦子

中矢邦子が「現場にアタック」でリポートしました!

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)